◯◯ペイの差別化は自販機みたいな支援システムだと思う

◯◯ペイの差別化は自販機みたいな支援システムだと思う

今日はちょっと思った話を書きます。

QRコードを利用した「◯◯ペイ」みなさん利用してますか?

私はしてません。Suica(ICカード決済)で十分なので…

IC決済の時と同様、◯◯ペイが乱立しています。

違いと言えば最初から「統一規格」の話したされたことですが、

各社キャッシュバックや紹介キャンペーンで人をかき集めています。

増税後のキャッシュバックもありユーザーは増加傾向ですが、

実際の利用率はスマホユーザーの3割程度で、

継続利用はその半数以下という話も出ています。

■QRコード決済、スマホユーザーの利用率3割、利用を中止する人は約半数

https://moneyzine.jp/article/detail/216125

■乱立するQRコード決済、ユーザー急増も継続利用者は半数未満 – キャンペーンのその後はどうなる?

https://boxil.jp/beyond/a6528/

100億円キャッシュバックキャンペーンの際も言われましたが、

キャンペーン終了で多くの方が使わなくなりました。

そう考えると、増税後のキャッシュバックが終わった際に、

どれくらいのユーザーが残っているかは気になります。

キャッシュバックで集まる人は「自分の利」のため

そもそも、キャッシュバックキャンペーンで利用をはじめ、

なおかつキャンペーン終了で使わなくなる方は、

自分がキャッシュバックを受けて得をしたい方です。

すごーく当たり前の話をしてますが、ここが重要です。

QR決済を提供する会社は「登録」により個人情報を提供してもらい、

なおかつ「使ったら意外と便利だった」というのを狙います。

が、実際のユーザーはこんな感じです。

文中には「引き続き利用:11%」とあります。

上記の記事ではアンケートを実施しており、

キャンペーン後も使うという方は11%。

キャンペーン次第で使うという方が44%です。

ただ、これは言い方を変えればキャンペーンがなければ使いません。

QR決済のキャンペーンは客寄せのための施策であり、

決して未来泳法続くQR決済の魅力ではないのがポイントです。

上記のようなアンケートは一部ですが、

現状の利用率などを見ると増税後のキャッシュバックが終われば

それを機会に「QR決済止めた」って方は増える可能性があります。

そもそも「使い続ける方」の方が少ない可能性もあります。

「自分の利益」以外の理由が必要な時

では、なぜ継続利用しないのでしょうか?

アンケートを見ていると利便性を感じないとか、

登録の手間、他にも既存決済で十分と言う声があります。

現段階で重要なのは「QR決済の利がない」ということ。

例えばもっと簡単に決済出来るようになるとか、

中国のように「現金に信用がない」上に、

「田舎の商店でも買い物が出来る」状態になるとか。

少し話はそれますが、QR決済先進国と言われる国の多くは、

日本のように「どこでもATMがある」状態ではないですし、

アメリカのように「どこでもクレジットカード」が使えません。

中国や東南アジアの多くはずっと未発展だった状態でしたが、

QR決済や顔認証という技術がある現代で急激に発展、

結果、ATM設置するより安価で便利で信頼性の高い

スマホ決済が普及したとも言えます。

また中国や海外の一部では企業同士がしっかり話し合い、

サービス提供前に統一規格を作った上で提供しはじめます。

日本のように「独自規格」を突っ走って、

「A店では使えて、B店では使えない」というのがありません。

話を戻して、24時間ATMが使えコンビニでお金がおろせ、

更にATMはもちろんレジからも偽札が出ない日本では、

QR決済の持つ「信頼性」「利便性」が感じてもらえないわけです。

むしろペイペイやセブンペイのトラブルにより、

「QR決済は信用ならない」が先に来た状態でもあると言えます。

信頼性も現金より低い、利便性もそこまで高くない、

なおかつキャンペーンしか魅力がないでは普及に限界があります。

では、どうすべきか?

決済の利便性や安全性向上はもちろん、ユーザーにとっても

「使いたくなる理由」を追加する事が必要だと考えます。

永続的な寄附システム

システム的に簡単で、なおかつ魅力があるのは寄附だと思います。

例えば自分が利用した決済の0.1%が好きなアスリートに寄付される。

自分が利用した決済の一部が国境なき医師団や動物の殺処分防止に役立つ。

ふるさと納税ではありませんが、ポイントの一部はもちろん、

利用金額に応じて運営会社などから寄附がされることで、

「誰かのためになる」という新たなメリットが生まれます。

寄附先で差別化も可能

寄附のメリットは差別化が可能ということです。

例えば楽天だと野球チームを持っていますので、

二軍選手や三軍選手への寄附ということもあるかもしれませんし、

リトルリーグにプロが教えるスクール開催などもできるでしょう。

昨今問題になる「引退選手」に対するサポートだってできます。

これは「楽天」を使う理由になるでしょうし、

楽天を利用し、球団の楽天を応援する人には強い理由になります。

他にもヤフーならソフトバンクもありますし、

地元スポーツチームへの支援だって可能でしょう。

ラグビーワールドカップで日本チームが話題ですし、

その施設に向けた支援だって可能なはずです。

東日本震災や熊本、関西、千葉と災害の支援もありますし、

日本中に「困っている人・団体」はいるわけです。

日本に寄付文化がないと言われる一方で、

国内の災害はもちろん海外の災害などに対して寄附が行われたり、

クラウドファンディングによる支援も広まっているのを見ると、

「少額ながら定期的な支援」もありえるかと思います。

最近増えた寄付型自販機は「少額寄附」の典型

最近は数が増えた寄付型自販機をご存知でしょうか。

自販機で買い物をすると、一部が寄附される仕組みでして、

最近では協会まで設立されています。

■特定非営利活動法人寄付型自動販売機普及協会

http://kjf.or.jp/landingpage.html

私も5年以上前に現物を見て、この仕組を知りました。

当時はまだJ2でしたが、地元松本のショッピングモールに

寄付型自販機が設置されておりました。

ショッピングモールからは試合の日にシャトルバルも出ており、

関係が深かったことから自販機の設置があったと思いますが、

担当者さんのお話を聴くと、周りの自販機より売上は良かったとのこと。

これが「支援したい気持ち」の現れだと思います。

マーケティング用語で「コーズマーケティング」なんて言われます。

地元に根付いたサッカーチームでの設置はもちろん、

下記のような団体でも支援自販機は活用されています。

■NPO法人 メッシュサポート

https://www.meshsupport.jp/%E3%81%94%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/%E6%94%AF%E6%8F%B4%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E6%A9%9F/

「知らぬ間に寄附」が最高の仕組み

では、どうしてクレジットカードで溜まったポイントや、

各種ポイントカードから「寄附」がされないのでしょうか。

個人的には「寄附の仕方」だと思います。

付与されたポイントは現金の代わりに支払いに使えたり、

商品と交換することだって可能なわけですが、

それを「寄附」に使うのは「口座から振り込む」に

近い印象を与えるのではないでしょうか。

先の自販機で言うなら下記のような状態です。

飲み物120円ですが、

購入者は必ず横の募金箱に10円入れてください

これだと、自分の財布から募金箱にお金を入れたり、

口座からNPOに振り込みをするのとなんら変わりはありません。

そうなるとチャリティ意識を育てなければ「やらない」となるわけです。

一方の自販機型や〇〇ペイの一部なら話は別です。

飲み物を買った分から勝手に寄附をされるわけです。

わざわざ「寄附」するのではなく、いつの間にやら寄付されている。

「そんなに寄附したくないのか!」って言う人がいるかもしれませんが、

Amazonや楽天での買い物も実は似たような心理が働きます。

Amazonや楽天は1-2クリックで買い物が完了します。

結果、皆さん気軽に買い物をしますが、あれを都度入力にすると、

概ね30-40%購入者が減るそうです。

Amazonは会社の方針で「決済を意識させない」というのがあるそうで、

どうしても決済を意識させるとそこで止まってしまうそうです。

一時期、ボタンクリックだけで商品が届く仕組みもそうですし、

1クリックで気軽に商品が届く仕組みなどを見たら、

いかに「気軽に出来る」が重要かはわかってもらえるでしょう。

寄附も「個別で寄附」はハードルが上がるので、

「知らぬ間に寄附」が良いのだと思います。

さあ、QR決済は「一部寄附」を!!

実はこのネタを考えた後、QR決済を調べました。

現状はみなさん「キャッシュバック」でユーザーを引き付けており、

ユーザーはキャッシュバックがあるところに移動している状態。

もちろん「一部は残る」と言えますが、それは先の10%程度。

そこで今のうちに「日本代表チームに寄附」とか、

「犬・猫の殺処分を防ぐため」とか独自のカラーで、

「自動的に寄附」とか「キャッシュバックの代わりに寄附」をすると、

キャッシュバック目当てのユーザーをQR決済に引き込む事が出来るでしょう。

それこそ「毎年1000円ずつ振り込んでた人」とか、

「日本代表の活躍を見て感動した人!」なんかは居るでしょうし、

「犬・猫の殺処分を防ぎたいけど、余裕はない」って方でも、

利用額に応じて決済会社が寄付するなら利用することも検討できると思います。

個人的には「世界を目指すアスリート」を支援していただきたいですが、

そろそろ「金をばら撒いて、ユーザー囲い込み」は限界ですので、

寄附機能つき決済を始めてもらえたらって思います。

正直、自分が支援したい団体に寄附がされるのであれば、

Suica一択の私もQR決済を採用しようかと思いますし。。。

以上、◯◯ペイの差別化は自販機みたいな支援システムという記事でした。

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