【2020年版】F1全10チームのスポンサー分析より、スポンサー獲得のポイント6個

【2020年版】F1全10チームのスポンサー分析より、スポンサー獲得のポイント6個

なんとか終わりましたF1チームのスポンサー分析。

各チームの話はそれぞれの記事をご参照ください。

数があるので一番最後にすべての記事へのリンクを掲載しています。

さて、最後に全スポンサーデータからわかる話と、

そこから自身でスポンサー獲得する際に使えるポイントを〇個にまとめました。

2019年版も気になる方は下記からどうぞ。

【F1/2019年版】全10チームのスポンサー分析とそこからスポンサー獲得の現実

全10チームのスポンサー分析からわかったこと4個

1.中国系スポンサーの大量撤退

最初にこちらのリストをご覧ください。

2019年、2020年の国別スポンサー契約数とチーム数です。

2019年と2020年、F1のスポンサー比較

契約数はチームとの契約数です。

例えば同じ会社が3チームと契約するとカウントは「3」です。

また、イタリアに関しては公式サプライヤーのピレリが入っております。

チーム数は契約その国籍のスポンサーがいるチームの数です。

日本は「8」ですから、全10チーム中8チームに日系企業が契約しています。

各数字横にある”↑・↓”は2019年比の増減を表します。

一番目立ったのは中国です。

2019年には4チームと合計7契約をし、TOP10に入っておりました。

が、2020年に至ってはアストンマーチン・レッドブルの利来国際1社のみ。

利来国際が気になる方はこちらからどうぞ。インパクト大です

これには様々な理由が考えられます。

 ①F1スポンサーの効果があまりなかった

 ②1年契約で「F1にスポンサーした実績」が欲しかった

 ③中国の景気が悪くなっている

 ④F1チーム側が「いやだ」となった

一部国営企業のデフォルトの話や、儲かる企業への政府の締め付けだったり、

アメリカが中国との貿易に制限をかけたりしたこともありますし、

そもそもコロナの影響は一番初めに中国に出ていましたので理由は不明です。

ただし昨年に比べて一気に減ったのは事実です。

2019年の記事では「健闘してるね!」としたのですが、

今年は完全に埋もれてしまっています。来年以降盛り返すんでしょうか?

2.安定の日本…でも、長く続いたケンウッドは撤退

昨年同様件数を確保した日本ですが、ドイツが落ちて5番手に浮上です。

ウィリアムズににゃんこ大戦争のPONOSが加わる一方で、

マクラーレンと長らくサプライヤー契約をしていたケンウッドが撤退。

にゃんこ大戦争のPONOSはウィリアムズへ
アイルトン・セナが居た時代から続いたケンウッドは終了

来年はアルファタウリに角田選手が乗りますので、

日本のスポンサー増に期待できそうな一方、2021年でホンダが撤退。

CASIO/EDIFICEはホンダとセットという感じですから、

2021年以降の動向がきになる次第です。

しかし、なんだかんだ言って日本企業は強いですよね。

3.目立つIT、安定の金融とエネルギー系スポンサー

すいません、これはこの表からはわかりませんが…

全スポンサーのWEBは見てますので内容はなんとなくわかります。

アメリカが圧倒的な状況でその中でも目立つのがIT系です。

スポンサーの入れ替えが激しいマクラーレンの

AUTOMATION ANYWHEREは昨今話題のRPAです。

他にもIT系スポンサー多数のマクラーレンF1チーム

また、今年から加わったSplunkもビッグデータ系で「話題」の会社です。

GAFAと呼ばれるITが参入してこない一方で、

AIやビッグデータ、またPCメーカーのスポンサーも目立ちます。

他にも目立つのはメルセデスAMGペトロナスF1チームのペトロナスや、

ルノーのDP WORLD、アルファロメオのORLENのオイル・エネルギー系。

ルノーはRCi Bank&Servicesという投資系も付いておりますが、

レーシングポイントのcanada lifeやメルセデスのUBSなど、

金融系も安定したスポンサーとして多くのチームに付いています。

それ以外にもサプライヤーとして衣料系がいたり、

医療や化学系の会社もスポンサーになっています。

4.複数チームと契約する企業は18社(公式サプライヤーのピレリ除く)

時計のRICHARD MILLEであったり、通信会社のRIEDELは

複数のチームとスポンサー契約を結んでおります。

中にはALPHA TAURIやALFA ROMEOのように、グループ内で

契約をしているケースもありますが…

複数チームと契約するスポンサーは18社あります。

ピレリを除いて3チーム以上と契約するスポンサーは以下の通りです。

  • alpinestars 4社:ルノー、ハース、ウィリアムズ、レーシングポイント
  • MARELLI 3社:フェラーリ、アルファロメオ、マクラーレン
  • PUMA 3社:フェラーリ、レッドブル、メルセデス
  • RIEDEL 3社:フェラーリ、アルファロメオ、アルファタウリ
  • SIEMENS 3社:ルノー、アルファタウリ、レッドブル

他にも2社提供のスポンサーが13社ありました。

こうしてみると各スポンサーの傾向が見えたりしますよね。

例えばPUMAは「トップチーム」との契約をしている一方で、

alpinestarsは中堅や新しいチームといった感じでしょうか。

MARELLIはイタリアの企業と日本の企業が合併したため、

イタリア系で契約したフェラーリ、アルファロメオと

日系で契約したマクラーレンへの提供となります。

RIEDELはイタリア系とはっきりしております。

では、次にスポンサー獲得のために使えそうなポイントです。

スポンサー獲得に使えそうなポイント6個

1.スポンサー獲得に”勢い”は大切

当たり前の話ですが、やっぱり勢いのある企業って大事です。

言うまでもなくレッドブルはエナジードリンクで大人気ですし、

メルセデスにはモンスターエナジーが付いています。

また、マクラーレンにはAIやRPAなどITが盛りだくさん。

一番スポンサーの入れ替わりが激しいマクラーレンですが、

「新しい、勢いのある会社」を取り入れるのもうまいわけです。

そして入ってくるのがAIやRPAということなら、

今、その業界に宣伝する費用があるという事でしょう。

極端な話ですが、今更ガラケーメーカーに行ったり、

サービス終了するiモード(3G)用のアプリメーカーに

営業したって「そんな金ねーよ!」ってなりかねませんからね。

2.一方で…勢いは衰える時もある。中国、ROKiT、リッチエナジーなどなど

1で「勢い大事!」と言いましたが、衰える可能性も忘れないでください。

2019年は中国企業で「F1スポンサーブーム」でしたが、

2020年になったとたんにたった一社に減ってしまっています。

また、ウィリアムズはROKiTの撤退でバタバタしましたし、

2019年にはリッチエナジーというエナジードリンクの会社が

ハースとのスポンサー契約をシーズン途中で解除し話題になりました。

ドタバタのウィリアムズは最終的にオーナーチェンジ

勢いは大事ですが、勢いが衰えることもありますので、

よくよく見極めながらスポンサー募集したいものですし、

「いつまでも続く」と思ってはいけないという事です。

3.スポンサーの利になる事が重要で、単なる宣伝ではF1でもスポンサーが付かない

IT系がF1のスポンサーをしているって話ですが、

ITで儲かっているといえばGAFA、BATHです。

  • Google
  • Amazon
  • Facebook
  • Apple
  • Baidu
  • Alibaba
  • Tencent
  • Huawei

これらの頭文字がGAFA,BATHですが1社も居ません。

AIやRPA、そのたビッグデータやPC系メーカーがいるのは

F1という環境で利用されている事が会社にプラスのイメージを与えるから。

例えばAI。

F1では多くのセンサーを使ってデータを収集した上で、

何百、何千時間もシミュレーションを行って開発をします。

その結果、素晴らしいマシンが出来るとして、

AIがその判断んを出したなら…魅力的に思えますよね?

PCやAMDのようなチップメーカーだって同じことです。

マクラーレンのスポンサー、mindmazeは他チームとも契約しています

服飾、ファッション系でも同じ。

サーキットにいるドライバーが「かっこいい!」と思うとき、

その人が身に着けている洋服やサングラスはかっこよく見えます。

その上で世界を転戦し、知名度を上げてくれるのがF1という広告です。

単純に「知名度上がりますよ!」だと断られるケースもあります。

例えばですがトヨタを知らない人がどれくらいいるでしょう?

そのトヨタを、地方選で戦うカートレーサーが宣伝して、

「トヨタって知らなかった!!」ってなる事はほぼありません。

一方で、ハイエースという荷物が詰める車で

全国を転戦しながら「広いから中で寝れる。便利で経済的!」としましょう。

小さい車2台で移動するドライバーや、運転席で寝る人、

更には都度都度ホテルを取って費用がかさんでた人はどうでしょう?

「せっかく買い替えるなら一台で済むハイエースにするか」となります。

これがスポンサーの利を考えた広告というわけです。

正直、単純な知名度アップならネット広告の方が効率的です。

不特定多数に一気に知らせて一定の信頼付けるならテレビがいいです。

そんな広告と戦うのが「スポンサー契約」というわけで、

やはりよく考えて提案をし、広報活動が必要であると言えます。

それが個人レベルでなくF1でも行われているというのが現状で、

そんな中「宣伝しますよ!」だけで契約が取れないのは当たり前と言えます。

「社会性」は昨今注目のポイント

4.複数チームに提供するスポンサーは重要

複数チームや、多くの選手に提供するスポンサーは要チェックです。

なぜなら自分にも提供してくれる可能性がありますし、

それが「一社目」になり、二社目以降の契約が楽になったりします。

また、よくよく調べるとスカラシップ制度があったりします。

スカラシップなら条件も明確で単純な契約よりハードルが低い

上記の記事でも書いてますが、スカラシップから関係をはじめて

結果が伴う頃に金銭的なスポンサーへと切り替えたり、

はたまたスカラシップを「1契約」として2、3とつなげて行ったり…

企業は失敗をしたくないので「1契約目」は避けたい一方で、

例えば大手が契約してると「大丈夫だろう」で集まったりします。

一社目がなかなか見つからない時は、よくよく業界を調べて、

複数チームや選手に提供している企業に問合せを入れるのも重要です。

ちなみに、今回の作業で問合せ経験がある会社が数社ありました。

一社は明確に「地方選で1位になったら相談に乗ります」と言われました。

なんでもいいのでNO.1になれって話でして、

これも問合せてみないとわからない事ですよね。

5.海外企業を狙うなら、こうする

さて、リストを見てて気になったのがアメリカです。

F1は基本ヨーロッパのスポーツなんですが、

それにしてもアメリカの企業がスポンサーしてる率が高い!

世界的企業の本社がアメリカにあるからってのも一つですが、

モータースポーツが盛んで、寄付や支援文化も強いアメリカだからこ

リターンが望めるならスポンサーになるとも考えられます。

では、アメリカの企業…または海外企業を口説くにはどうすべきでしょう?

語学は後に話しますが、もし自分がやるならの話です。

一番は海外に本社があり、日本に支社が出来て間もない会社でしょう。

日本で知名度をアップしたい中で、自分が宣伝をするわけです。

先に説明した「スポンサーの利」も考えた上で、メディアの掲載実績や、

自信のSNSのフォロワー、周りの友人関係も開示した上で、

どれだけ認知度が上がり、なんならファンが出来るかを提示します。

先ほども書きましたが、知名度だけなら広告の方が効果的です。

だからこそ、もっと先の「ファン」だったり「ユーザー」を連れて行きます。

日本で一定のファンを獲得できる可能性があるなら、

インターネット広告やマスメディア広告と単純比較も出来ません。

これは国内企業にも使える事ですが…

外資で代表も外国人となるとマーケティングで苦戦していたりしますので、

そのサポート役を買って出るといった感じでしょうか。

6.英語での情報発信が必須になる!?

5にも関連しますが、外国語での情報発信が重要という話です。

例えばF1の魅力の一つに「世界を転戦する」って部分があります。

言葉は通じない国でもF1というマシンを通じてスポンサー企業を知ります。

Little Moleの話を出しましたが、正直縁もゆかりもありません。

ただ、アルファロメオ・ザウバーF1チームのスポンサーになっており、

「なんだこれ?」と思って調べた結果知りました。

他にもマクラーレンやアルファロメオをスポンサーするHUSKI CHOCOLATE。

マクラーレンの「ボーナスはチョコバー」で話題になったあと

国内でも検索数が増えておりました。

単純な企業名はもちろん「買える場所」とかも探されています。

これが世界を転戦し、言語を超えるF1の力と言えます。

自身の活動が「海外を転戦」「言葉を超える」といいのですが、

そうもいかず「国内限定」の際はこちらから言葉を変えて

国境を越えて行けばいいというのも一つあります。

例えばコチラ。

記事後半に天才少年の話が出ておりますが、

YouTubeで英語のタイトルをつける事で英語圏での認知度も上がります。

日本語を使うのが世界でせいぜい1.5億人に対して英語は15億人。

SNSの発信に英語を加えることで15億人にも届き始め、

そこから「彼、すごいね!」「彼女の応援したい!」って人が

出てくることでファンはどんどん増えていくわけです。

その発信力が認められた時、日本進出時のパートナーになる可能性もあります。

特に上記5の様な例で意思決定者が日本語が話せない場合にも

言語の壁がなくなればいいですし、そこまではいかずも

「英語で発信している様子」を見てもらい、それに対するファンの反応は

日本語だけで書いた資料を渡し、通訳を介するよりも強力でしょう。

ファンの幅が広がる、交渉もできるという意味で多言語対応は重要でしょう。

以上、F1全10チームのスポンサー分析より、スポンサー獲得のポイント6個でした。

皆さんの活動に少しでも役立てればと考えています。

2020年版、F1全10チームのスポンサー分析

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