政治的な問題は対処に困りますが、
今回、その例としてブリザード・エンターテイメントが、
eスポーツ大会のスポンサーを失ったようです。
ブリザードが香港デモへの対処からスポンサーを失う
https://gigazine.net/news/20191030-blizzard-loses-sponsor-hong-kong/

リンク先のサイトではスポンサー撤退前と後の画像が比較できます。
ゲームロゴの下にスポンサーロゴを入れた上に、
カメラとモニターの間に車両を並べるアピールっぷりを見る限り、
少なからず大口のスポンサーであったと伺えます。
スポンサーを失った理由は香港デモに対する対応
なお、原因となったのはこちらのニュースです。
香港デモへの支持を表明したプロゲーマーが賞金はく奪&トーナメント参加禁止措置をとられてしまう
https://gigazine.net/news/20191009-blizzard-bans-hong-kong-support-gamer/
プロゲーマーがトーナメントの終了後のインタビューで、
香港のデモに関し支持する発言をしました。
中国政府は香港デモに関する情報をシャットダウンしようとしており、
ブリザード・エンターテイメントは収益の1割以上がアジアであり、
なおかつ中国企業が一部の株式を持っています。
こういう関係があってか、ブリザード・エンターテイメントは、
当該選手の賞金剥奪とトーナメント参加禁止措置をとりました。
その事に対しファンはもちろんスポンサーなど内外から不満が出ており、
結果的にはスポンサーが「反対の意」を行動に移したわけです。
アスリートやタレントもある「政治的発言」のリスク
アスリートに限らず、タレントの方や著名人全般に言えますが、
政治的な発言はリスクが大きいと思います。
「有名人の政治的発言」が叩かれる日本のゆがみ
https://toyokeizai.net/articles/-/292614
上記のような記事もあり「アメリカは日本の真逆!」とありますが、
現代で「アメリカにだけ伝えたい」とかは不可能であり、
発言は瞬時に世界中の言葉に翻訳され、拡散される可能性があります。
また、単なる政治的な発言に限らずも
大会運営社や団体、協会に対する発言は問題になるケースもあります。
発言をしたいなら「個人」で行うか、無理ならスルーか
では、どうしたら良いのか?
個人的な意見ではありますが「一個人として発言する」のが一つ、
もう一つは「政治的なもの、賛否あるものには触れない」でしょう。
例えばチームに所属したり、スポンサー名を背負う場合は
公式のSNSではなく、個人のSNSを別途で作って発言するとか。
ただ、それでも人によっては「裏ではこんな事言ってる」と拾われます。
政治家の方を見たらわかりますが、叩きたい連中と言うのは、
昔の発言やクローズの環境での発言さえ引っ張り出してきますら、
やはり不用意に発言しないのがポイントでしょう。
また、F1やトップスポーツになると
インタビューとして政治的な問題に意見を求めるケースがあります。
この様な場合はうまく流すのが良いと思います。
例えば「関東の豪雨被害が…」なんて言われたら、
「一日も早い復旧を願う次第です」ぐらいでいいでしょう。
F1などを見ていると明らかに「ネタを作るための質問」もあり、
YES/NOどちらでもおもしろおかしく書かれたりします。
それが嫌になりインタビューを受けないのが米国のトランプ大統領ですが…
あの方はSNSで好き勝手言い過ぎですが、
都合よく書かれるメディアに安易に答えないのは上手いとも言えます。
ブリザード・エンターテイメントはどうすべきだったのか?
では、ブリザード・エンターテイメントはどうすべきだったのでしょう?
米国の企業ながら、中国系の株主もいるし市場も開拓したい…
個人的にはもう少し軽い罰則と、関係のない発言の禁止だと思います。
賞金剥奪・出場停止ではなく、あくまで厳重注意と少額の罰金、
更にイベントやゲームに関係のない発言を禁止すると共に、
選手を守る意味で、インタビューする側も管理することではないでしょうか。
もちろんブリザード社と中国政府や関係者の間で
やりとりをした上で出た条件なのかもしれませんが、
罰金と今後の発言禁止で、ある程度中国の目標は達成されますし、
今回のような大口のスポンサー撤退にはならなかったと思います。
このあたりはグレー判断が得意な日本のが上手かもしれませんが…
ちなみに、ブリザード・エンターテイメントは
各方面からの批判により、プレイヤーに対する処罰を軽減しています。
Blizzard、香港発言プレイヤーのペナルティを軽減し、「中国への配慮ではない」と説明
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/13/news013.html
この対処(まだ重い気もしますが)が最初から出来ていたら、
スポンサー離脱にはならなかったかもしれませんね。
他人の失敗は教訓とし、生かしていきたいものです。